相見積もりで負けることほど悔しい事はない。そう、最近は負け続きた。特に見積もり金額を 引き上げたつもりは無いのだか、仕事が取れない。
負けた原因がたったの5ドルだと聞き、更に情けなくなった。たかが5ドル、されど5ドルである。
忘れもしない2013年の夏、ゼロからの立ち上げた社員としてここに転職した際、
仕事を取ることに焦っていた私は、藁にもすがる思いでO所長に願いを請うた。そしてラッキーにも仕事をいただくことができ、その後とんとん拍子にこの分野を広げること
に成功した。そう、日本語通訳派遣という分野に。
あれから7年。
通訳派遣を幾度となく行なってきた。最大で50名近くを一気に手配したこともある。急病
や遅刻ケースも幾度となく経験した。それでも今までやってこれたのは、いざとなったら私自身が通訳の替わりにできるという砦があったから。更には信頼できるフリーの通訳さんに多く出会えた事である。そのリストはゆうに100を超えて、今でもリファーラル(ご紹介)が絶えることはない。皆さんの特性もある程度把握している。
Aさんはお酒の種類や産地に強い、
Mさんは自分で貿易会社を興した経験があるため貿易用語に強い、
Yさんは気さくで嫌な顔一つせずいつも二つ返事で仕事を受けてくれる、
Lさんは同時通訳や舞台上での通訳に強い、などだ。
中には休憩時間を返上して一生懸命仕事をしてくださる方もいる、もちろん
休憩時間は給与が引かれることを知りながらも、自主的に食事を取らずに仕事をしてくださる。
リピートしてくださるお客様、いつも同じ通訳さんをご指名くださるお客様もいる。
本当に有難いことだと思う。
そして今の挑戦は価格競争だ。
うちが見積もりの金額を安くすれば、通訳さんの時給も若干減らさなければ
ならない。どうやり繰りしても、決められている粗利に足りなくなってしまう。わかって
いても通訳さんの時給を減らしたくない。
既に香港でのイベント自体がどんどん中止になっている今、フリーで通訳をしている人
は本当に大変なのを知っているから。
前回5ドルの差で負け、そして今回、迷いに迷って見積もりを出さないという選択をした。今がら思えばこの選択が正しかったのかはわからない。他社のように通訳さんの時給を低くしてでも仕事を取るべきだったのか。また、次回の見積もりはどうすべき
なのか。
答えはでていない。考えて考えて、周りの意見も伺って答えを出そうと思う。