香港新型コロナウイルス基金

香港政府800億香港ドルの新型コロナウイルス基金「保就業」計画について(その2)

4月19日(土)に立法会で第二弾の1375億香港ドルにおよぶ抗疫基金の措置が承認されました。ここでは、従業員を守る意味で設立された「保就業」計画についての進捗をお伝えしたいと思います。具体的な申請の詳細はこれからになりますが、以下は現段階で出ている質問などをQ&A形式にてお答えしたものの日本語版になります。参考にしていただけたらと思います。

申請資格と注意点について

1)申請資格

従業員を抱える企業で、今年の1月~3月の間に給与が発生しており且つMPFの積み立てがあること。基金申請後は6か月間の就労保証ができること。

2)注意点

  1. 「保就業」計画の政府補助金にはどんな留意点がありますか?

    雇用主は6か月分の補助金を受けている期間は従業員の解雇ができません。又、従業員数は2020年3月の数より少なくってはいけません。またこの補助金は全額が従業員の手元に渡ることを意図されています。このお金を利用して家賃やその他の用途に使用することはできません。
  2. 「 保就業」計画 で指摘されている従業員の賃金計算について。

    例A)3名の従業員がいる場合。2名は月給18000ドル、1名は30000ドルの場合の金額について。 HK$9,000(最高額)x 3 (人) x 6 (か月) = $162,000。このような計算式になり一か月毎では3名に対して27000ドルが政府から払われることになる。実際雇用主が従業員に支払う毎月の金額は39000ドルとなる。

    例B)同じく3名の従業員が就労しており給与も2名は月給18000ドル、1名は30000ドルと同じだが、そのうち18000ドルの2名は3月から(或いは2月から)給与が10000ドルに減額されている場合。申請については1月分の給与を元に上記と同じ計算式で申請が可能である。しかし実際雇用主が従業員に対して支払う金額の毎月の合計金額は23000ドルとなる。
  3. ここでの注意点は、雇用主は減額した従業員の給与を元に戻さなくても良いということ。すなわち雇用主は2020年1月~3月の中からどれか一か月を選び申請すれば良いので、最も補助金が多く取れる月を選び申請すれば良し。そして補助金が出ている6か月間は、従業員の解雇をしなければ(就労保証をすれば)よいだけです。従業員の給与は減額した給与をそのまま使用してよいということになります。
  4. もし4月に給与の調整があったらどうなりますか?
    今回の補助金は2020年1月~3月までの給与のどれか一か月分を元にして行われるため、4月に給与が上がったとしても反映されません。

最後に申請資格についてですが、現段階では「2020年1~3月の給与のどこか一か月分の記録を持って申請する」とだけあり、3か月分の給与明細を提出する必要はありません。又それに伴い、MPFを3か月間連続してかけていなければならないという記述もありません。保険業界に身を置く友人からは、先週一週間でMPFの申請申し込みが2000件以上増えたという情報も入っています。実際MPFは企業側が5%のペナルティを払えば、さかのぼって申請が可能です。今回の「保就業」計画ではMPF積み立て資料の提出義務があるため、ペナルティを払ってでも積み立てたいという人が続出したのだと思われます。

具体的な申請期間は5月のどこかになり、支払いは第一期(3か月分)が6月、第二期(残りの3か月分)が9月と言われています。このブログでは今後も詳細についてお伝えする予定でおります。こちらは政府が出している英語版の基金全般についての資料になります。