香港人材紹介

「日本人は欲しいんだけどエセ日本人は要らないんだよ」

*少し乱暴な言葉のように聞こえるかもしれませんが、実際の会話です。

先日このようなお話しを伺うことがありました。この方がおっしゃっている「エセ」は、日本で育っていない日本人という意味であることを、瞬時に察しました。理由は、以前も同じようなリクエストをいただいたことがあったからです。

日本人を採用したいとおっしゃる企業様の募集意図は、日系企業のフォローアップや日本人の個人顧客を担当していただくため、日本の仕組みやビジネスマナーを理解している日本人を探したいというご希望となります。よって、日本国内で教育を受けていない、又日本で日系企業での就労経験が無い方に至っては、いくら国籍が日本パスポートであっても、そのリクアイメントを満たさない場合があると理解しています。

考えてみると、日本人を希望しておられるお客様の募集意図は、私が香港で人材紹介の仕事を開始した2000年代から、変わっていないように感じます。どちらかと言えば当時は、日本で育った日本人が海外で就職したいという方が圧倒的に多かったので、上記のような言葉を聞くことは無かったと記憶しています。

しかし現在は国際結婚も多く、日本国籍を保持していても必ずしも日本で育っていないという人が増えたからこそ、このようなお話がでてくるのだと思われます。

お客様が希望される方をいかに正確に早くご紹介できるかが我の役目ですので、意図をしっかりご説明いただけるのは本当に有難いことです。もちろん私は香港の差別条例も理解していますので、本来であればこのような会話を公開することは差し控えております。(人種差別条例では国籍を指定しての募集広告は出せません。)しかしながら現場では男女・年齢・人種についてのお話がでることは日常茶飯事ですし、そのスクリーニングも兼ねて人材紹介業者が存在していると考えます。

またここで一言付け加えて申し上げると日本とは条例が違うため、男女についても募集広告では書くことができません。但し女性下着のモデル募集のようなどうしても女性に特化している場合などごく一部は認められています。

もし今回の内容をご覧になって不快に思われる方がいらっしゃいましたら、本当に申し訳ありません。ただ実際の現場で起こっていることをシェアさせていただくためのものとご理解ください。