香港にはアジアでも大規模を誇る展示会が毎年いくつも開催されています。その中でもフードエキスポは日本にいる日系企業が出展されることでも有名なイベントです。2019年も200社ほどの日系企業様がブースを開けられ、こちらからも日本語通訳派遣でお手伝いさせていただきました。
さてここでは、展示会ブースの専属日本語通訳者派遣について、時給の差や私の考え方について話したいと思います。毎年のことですが、時給や日給にかなりの格差がでていることが判明しています。となりのブースの人と倍ほどの金額差が出ている場合もあるような情報も入ってきています。それはなぜかを考えてみたら、以下のような仮説が成りたちました。
- ブース出展者やオーガナイザーからの直接オーダーか(下請け)
- 中間業者からのオーダーか(孫請け)
- 日本円建てか、香港ドル建てか(レートにより差が出る)
- フードエキスポや通訳としての経験とスキルの違い(それにより給与差をつけているかどうか)
まず私が今までお受けしていた現状は以下のとおり。1)と2)の両方のオーダーもありましたが、提出している見積もりが下請けと孫請けで大きく変わるかというと、そうではありませんでした。
なぜならばこちらから派遣している通訳さんの金額は同一で、差を設けていない為、お見積もりもほぼ同じとなるかたです。差があるとしたら、値引きをしているのは基本的にバルクオーダー(人数が多い)の場合と、アーリーバード(早目に正式なオーダー)をいただいた場合の二種類のみです。
また3)の円建てか、香港ドル建てかの支払い方法については、ほとんど1)の直接オーダーであるかどうかと関係すると思われます。
ちなみ今までは香港ドルのみにて回収をしてきており、日本円しかお手持ちがないお客様の場合は銀行で香港ドルに換えて差し上げたこともあるくらい徹底していました。
さて4)については少し判断が分かれるところかもしれません。
私は依頼内容が変わらない場合は給与は一律金額です。例えば○○県様からのブースで同じ能力の人を5名欲しいというご希望の場合、お願いする通訳さんのスキルに多少の差が出たとしても、お支払いする金額は同じ。ただ業務内容が違う場合、例えばその中の一名はリーダーとして皆を統括する、逐次ではなく同時レベルでの通訳が必要など、業務に差がでる場合はもちろんお見積もりも変えますし給与も変えてきました。要するに職務主義です。
ちなみに私がヒアリングしたところでは、お願いしている業務がほぼ同じであったとしても通訳さんのスキルで給与レベル分けしているエージェントさんもあるようでした。経験豊富でスキルが高い人には多く支払い、新しい方には安めに支払うというやり方です。
私たちエージェントの中での統一や決まりがないため、このような状況が生まれるのだろうと思いますし、これは仕方ないことだと思います。また、スキルが高い人をモチベートしたいという意味では給与を高めにするのが最も良い方法であることは、私も重々知っています。しかしながらそれをやらないのは、やはり公平にお願いしたいという気持ちが強いからです。
最近はフリーランスの通訳業やアルバイトで稼いでいる人も非常に多いため、皆さんにとっては少しでも高い給与ですぐに支払ってくれるエージェントや企業様と組みたいというのは当たり前のことだと思います。
そう考えると今まで支払ってきた時給は決して高い方ではなくおそらく中間あたり、ただ仕事の最終日に給与をすぐお支払いをするという点で、なんとか皆さんに信頼をいただいていたように感じます。
香港の展示会・イベントでは沢山の日本語通訳者が働いています。最近は大学の先生から直接紹介してもらったり、個人の手配師さんもいらっしゃるらしが、一点違うのは毎回労災保険を掛けてきたところでしょうか。
これは香港内に正式な手続きをした会社が無いとかけることができません。万が一のための労災、通常なら掛け捨てなってしまうため、コストがかさむという意見もありますが、今までは絶対に全員分かけてきました。このポリシーだけは最初から一貫しており曲げないでいます。
展示会を開催目的である「お客様やビジネスパートナーの獲得」のお手伝いをするための通訳の仕事。
この使命がしっかりわかっている方を今後も派遣していきたいと思います。ブースにいて少し手伝ったらお金がもらえるような意識の低い方ではなく、目的意識をしっかり持った方の発掘とその成長をこれからもお手伝いしていきたいと思います。
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