「飲み会の費用が駐在員と現地採用(現採)とで同じなの?」
当時私はある日系大手商社のグループ会社で働いており、私の所属部署の日本人女性3名はすべて現地採用でした。この会社では月に一度誕生会という称する飲み会があり、日本人というくくりで私も自動的にそのメンバーの一員になっていました。誕生月の人は無料となり、その人の分を皆が負担。香港でおしゃれなエリアであるスタンレーやクリアウォーターベイなどへ週末の仕事終わりで繰り出すのがお決まりで、会費は約300~600ドルでした。(約4500円~9000円程度)すでに15年以上前の話です。
ある日、高めの中華コースを食べ終わり支払いになった時コース代以外の紹興酒が意外と高く、予定の金額より+150ドル余計に徴収ということになりました。お酒が一滴も飲めない私も同じ料金なのかという失望の中、部署のリーダーに聞いてみると「そんなこと(幹事に)聞けないよ。大したお金じゃないんだから、気持ちよく払おう。」と、まるで子供をたしなめるように言われたこと、今でもよく覚えています(苦笑)
結局は非常に不満を持ちながらも150ドル余計に支払い、タクシーに乗って最寄駅まで移動。割り勘のタクシー代も併せると合計金額が1000ドル(約1万4千円)近くなり、これでは働いても働いても貯まらないわ、と思ったのをよく覚えています。ちなみに当時の私の月給は15000ドルでした。
なぜこんなことを突然思い出したのかというと、帰国命令が出たことから退職し、現在は現地採用待遇で仕事を探しておられる方々に複数名お会いしたからでしょう。
その中のAさんは、駐在員時代に求職者としてご登録いただいた際のパッケージと、現在会社退職後に現地採用としての転職希望パッケージに大きな差があり少し驚きました。
■駐在員時代のパッケージ:基本給(日本円と香港ドル)合計約5万香港ドル及び借り上げ社宅、税金負担、年金、医療保険、年に2回の一時帰国手当など。
■現在のご希望パッケージ:基本給3万5千ドル、ダブルペイとボーナスなど、及び医療保険。
ではここまで金額に差があるのに、どうして現地採用が良いかというかと伺うと、理由は転勤が無いことに尽きるとおっしゃいました。Aさんが退職を決めたのは、生涯の伴侶と生きていくためです。そのためには転勤が無い現地採用待遇で仕事を探したいと強く希望されたそうです。伴侶に巡り合えたのはここに赴任したから、だから運命の人に出会ったんだということを強く協調しておられたAさん、お金では買えないものを手に入れたというキラキラした目をしておられました。
そういう私は現地採用しか経験がありません。最初にここで働いたのが1999年ですから、すでに20年以上前のことになります。その後いくつかの仕事を経験し、その中には医療保険が手厚い会社や一時帰国手当があった時もありました。現地採用だからというよりもポジション(職位)によることが大きいと感じています。駐在員待遇で働きたいと思ったことは一度も無く、前出の方と同じで転勤がない現地採用としてこの地で生きていくことをほぼ決めているからです。
外国人には駐在と現地採用パッケージがありますが、地場の人たちは現地採用ばかり。我々日本人が日本では現地採用であるとの同じことです。それでもこの香港では化ける人も沢山いらっしゃいます。それが香港の魅力であり、そのお手伝いができるこの仕事はなんて素晴らしいんだろうと心から思います。
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