香港人材紹介

「転職はお勧めしません。まずは今の上司と話してから、お決めになってください。」

先日お目にかかった日本人の転職希望の方にこのように申し上げたところ、非常に驚かれました。人材エージェントの方って、仕事(案件)を紹介するだけかと思ってました。だから転職を止めろとかいうコンサルタントがいるなんて、考えたことが無かったです、と。

この方はミドルエイジで、香港には非常に長くいらっしゃるのですが転職回数はなんと一回だけ。ご本人曰く、家族とつつましやかに暮らせたらそれでいいんです、とのこと。

バックオフィスの仕事が得意で、今までは外国人上司に対して日本語や日本文化の面で長年アシストをしてこられた。それが最近になって日本人上司が赴任してこられた為、この方が得意としていた分野でのアシストが必要なくなったことから業務内容に変更があり、ご自分の会社内での価値があるのかどうかを毎日説いておられるとのことでした。

それを伺って私は、「恐縮ですが、XXさんが考えているのはネガティブな転職」だと感じますと申し上げました。新しい業務は私には向いてないと感じる、実はまだ試してみて2カ月だけど慣れなくて毎日気が重い、だから転職したいと。

では新しい上司との相性はどうなのかと話していくと、悪くはない。むしろ上司は、私のことを心配してくれて、新しい仕事をアサインしてくれたのではないかとのこと。おそらく上司の方は、今後このポジションに外国人上司が来る可能性が少ないことを見込んで彼女に新しい業務を任せておられるのではないかと推測します。これができるようになったら、この会社でまだまだ頑張れますよね、という意味を込めておられるのではと感じました。

私たちの仕事は聴くことから始まります。本当に転職理由は何か、本当に気になっているのは何か。例えば「もう五年も勤めたんだから転職したい」と言った人とよくよく話してみたら「実は今の仕事は業界自体が衰退していて、いい会社なんですがこれから20年後も元気な業界とは思えず、早目に業界を変える転職をしたい」というお話でした。この理由をしっかり企業様にご説明したら、面接してみたいと思う担当者もいらっしゃるのではないかと感じました。

私はいつも、転職希望者の方の代弁者として、本当のお気持ちをしっかり企業様にお伝えすることができればと思っています。

このブログでは香港内での転職にターゲットしています。転職情報や履歴書作成の仕方、広東語や日本語を使用した模擬面接などを用意していますので、お気軽にご連絡ください。