香港人材紹介

本当の転職理由~深圳に通勤するAさんの場合

新型コロナが蔓延する前は、中国と香港を毎日往復している転職希望者からの問い合わせをよくいただきました。

以前お会いしたことのあるAさんは、8年勤めた日系っ企業から昨年中国深圳勤務を命じられ、この半年間毎日香港の自宅と深圳を往復3時間かけて通勤中しておられます。そんなAさんが転職したいということで土曜日に面談しました。てっきり転職理由は通勤時間が長いことへの不満かと思っていましたが、実は本当の転職理由は他にあったのです。

「自分のクライアントを深圳の中国人スタッフへ担当換えされたのが我慢できない」これが本当の転職理由でした。

この会社はコミッション制ではないとは言え、自分が開拓した顧客を何もしてこなかった中国人スタッフ、しかも新人に渡さなければならず、更に会社からは新規顧客の開拓を命ぜられているとのことでした。

私の経験から考えてこのパターンは、会社側がAさんの能力を試している感じがしてならないのです。もし新規開拓に失敗すれば、Aさんは必然的にお払い箱となる可能性が高いような気がしてしまいます。

実際深圳に移動するまでの7年半、Aさんは特に大きなプレッシャーもなく、フォローアップ営業をしてきたとのこと。だから昨年会社の体制が変わり営業部が深圳に移ってからは、この大きな変化についていけていないような感じがヒシヒシと伝わってきました。

今回の問題はAさんの能力だけではなく、過去にこのような仕事(フォローアップ営業)しかふってこなかった会社のマネジメントサイドにも責任があるのではないかとも思えるてなりません。

残念ながらAさんは部下のマネジメント経験もなく、すでに年齢は40代半ば。しかし転職にあたっての希望給与が3万ドル近くを要求となれば、これから仕事を探すのは少しハードルが高くなってしまうのは否めません。

今回のケースを見てマネジメントの在り方について改めて考えさせられました。スタッフのやる気を測るだけではなく、スタッフにしっかり仕事をアサインできているか、その仕事は最適か、期待値通りにできているかなどを折に触れて確認する必要があると痛切に感じた出来事でした。

このブログでは香港内での転職にターゲットしています。転職情報や履歴書作成の仕方、広東語や日本語を使用した模擬面接などを用意していますので、お気軽にご連絡ください。